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<倒れた時の様子>
山田さん:9時過ぎに農林課からザワザワした声を聞いた。『虫でもでたか?』と思ったが、『おい、大丈夫か』という声が聞こえたので誰か倒れたのではないかと思い駆けつけた。
まさか、AEDが必要な状況ではないという思いでしたが、直感的に駆けつける途中でAEDを持ってきてくれと頼みました。
その場に自分が行かないと、と思った理由は消防・防災の担当で、救命救急普及員の講習を受けたことがあって、今回は受けてすぐ後(9か月前)だったので、何をやったらいいか、頭には入っていたからだと思います。
須田さん:急に山田さんが走り出したので、これは何かあるなと思った。私は、外出の支度をしていたので、そのあとをちょっと遅れて向かいました。何かしら音がした記憶があります。
10年前まで5年間、現在同様消防・防災の担当をしており、以降も3年に1回普通救急救命の講習を受けていたので、何をやるべきか、頭に入っていました。
<発見したとき>
山田さん:発見した時は、死戦期呼吸のような、顔つきで。過去の講習の中で死戦期呼吸とはどんな呼吸なのかを教えていただいていたので、すぐにわかりました。でも、イメージよりも3倍苦しそうな表情でした。怖いとすら思う表情だった。
<心肺蘇生を始めたとき>
山田さん:自然と、すぐさま胸骨圧迫を始めました。躊躇はありませんでした。ただ・・そのやっぱり呼吸を入れることはできなかった。
最初は、胸元のボタンを2個目まで外しましたが、遅くなると思い3個目以降はビリッとはたけました。
須田さん:山田さんが、胸骨圧迫を実施し始めてすぐに、気道確保をした。胸骨圧迫しているから、何か別のことをしようと思った。さずがに、人工呼吸はできなかった。あの形相をみたら・・・
でも、実施しなかったことによって、後で差があるのか・・・やらなくていいのか?と、少し思いはよぎりました。
ハンカチとか使えばよかったのかな〜って気はしましたけど、躊躇しました。
<AEDが到着して>
山田さん:AEDの使用は、特に躊躇することなくできました。メインのボタンが光って、初めて使いましたが、『AED頼みだ』と思いました。この一発で効いてくれ!って
安全確認は・・それどころではないって感じで、そこまで余裕はなかった。でも、みんなが離れてくれたような気がします。
須田さん:結構職員が集まっていました。一丸となっている感じはしました。みんな、助けたい!って思いは強かったと思う。山田さんは、AEDを貼って、みんなに『離れろ〜』って言っていたと記憶しています。
<AEDを使った後>
山田さん:AEDを使って、最初は苦しそうにしていた顔が、どす黒い顔になって・・そのあと、少し血の気が来たかな?って思うくらい顔色も変わって、表情も緩んだかな・・
そのあと、体が動いて目を開けて、キョロキョロしとった。状況がわからない感じで、動こうとしたところを逆に少し取り押さえたくらい。AEDってすごいって思った。
須田さん:動き始めて、単純に『よかった』と思った。生き返ったという感覚をもった。
<救急隊が到着した時>
山田さん:救急隊が到着した時は、もう自分で名前も言えたし、これは大丈夫かなと思った。
須田さん:後遺症が残らなければいいな、社会復帰できるんかな?とか思った。
<現在の心境>
山田さん:実は、その後も2度人が倒れるところに遭遇していて1回目は公民館。AED
を要請するのが当たり前になってしまって。大したことはなかったけど。
2回目は釣りに行っていたとき、夜中の3時ごろにトイレに行こうとしたら、トイレから足が見えて、まさか!と思って顔見たら・・また同じような顔をしていて、またか。と思った。救急車呼んでいたら、貧血だったみたいで、本人は全部聞こえていたようです。救急車を呼んで、本人を引きずりだしている間に意識が戻りました。
また、消防の式典中に、知り合いが倒れて、救急隊の方もいらっしゃり、AEDで助かったこともありました。
それからというもの、何かのイベントに行くとAEDどこかな?とか、この場で人が倒れたらこうしようというのを事前に考えるようになりました。
他にも、友人が体育館でバレーボール中に倒れて、その時にはすぐにAEDはなかったと聞いた。
たぶん、職員室にあって夜間開放の体育館なので、すぐにはAEDを用意することができなかったようで、AEDを使用するまでに時間が掛かり、残念ながら亡くなった方がいらっしゃいました。
AEDの少なさも感じるようになりました。自宅にAEDはないし、そのうち余裕があれば買おうかと。一家に1台みたいに。
須田さん:そのうち、AEDは必要だなとの意識も強くなって、そのうち車にみんなAEDは標準装備になるとか・・・こうなるといいね〜って話していた。
生かす為の、必要な行動。
自分が行動しなければ助からない、まずは動くこと。